紙糸を活用した暑熱対策プロダクトが完成

GREEN×EXPO 2027の開催を契機に立ち上げられたヨコハマ未来創造会議は、将来社会を担う若者が、横浜に集う企業等と連携し、環境共生社会の実現を目指す共創プロジェクトを展開しています。その第一弾として、神奈川大学道用ゼミ(所在地:神奈川県横浜市)と株式会社ダイイチ(本社:神奈川県横浜市/代表取締役社長:花本こず枝)がタッグを組み、優れた断熱性を有する「アップサイクル紙糸」の暑熱対策プロダクトを開発しました。今後、傘のシェアリングサービス「アイカサ」との連携を含め、多くの方に手に取っていただけるようプロダクトの商品化等を進めます。

 

【暑熱対策プロダクトのポイント】

♢GREEN×EXPO 2027でも課題となる暑熱環境への適応に地域資源循環の観点でアプローチ

♢デジタル機器を駆使する学生と企業の技術を掛け合わせた共創によるプロダクト開発

♢プロダクトは、日本初の傘のシェアリングサービス「アイカサ」との連携や商品化を検討

 

■ 共創概要

- 地域資源アップサイクル×暑熱対策 プロダクト開発 -

プロジェクトは、リサイクル率の低い紙パッケージと、横浜市水源林の未利用間伐材をアップサイクルした「紙糸」を活用し、その優れた断熱性などの特性を活かして「GREEN×EXPO 2027」においても課題となる暑熱環境への適応を掲げスタートしました。

3Dプリンターなどのデジタル機器を駆使する道用ゼミの学生と、株式会社ダイイチが手がける素材と技術を掛けあわせ、約4ヶ月間で共創によるプロダクト開発を進めてきました。

■完成プロダクト

学生ならではのアイデアをもとに、GREEN×EXPO 2027に向け、会場内外での使用を想定して製作され、晴雨兼用傘や扇子のほか、会場スタッフが着用するフード付きTシャツ・ポーチといったプロダクトが完成しました。プロダクトは、デジタル機器を加工して作った横浜らしいモチーフや花のコサージでデコレーションされています。

 

暑熱対策の機能検証として、サーモカメラを用いて晴雨兼用傘を使用した場合(写真右)の温度の変化を可視化し、使用していない場合(写真左)と比べ温度が下がることが確認できています。

 

■プロダクトの今後

 今回製作した晴雨兼用傘は、傘のシェアリングサービス「アイカサ」を運営する株式会社Nature Innovation Groupと連携し、今後、GREEN×EXPO 2027の会場玄関口である相鉄本線瀬谷駅のアイカサ機器への設置を予定しています。

その他のプロダクトは、断熱性や使いやすさをさらに高めるための改良を施し、株式会社ダイイチによりグッズやユニフォームとして商品化が検討されています。

■“上瀬谷の桜”を活用した特別製作

  “地元のものを使う・花で染める”という学生のアイデアをもとに、上瀬谷で倒木の危険性が高く、やむを得ず撤去されてしまう桜を活用し、傘生地を桜色に染色。

桜のモチーフのデコレーションも加え、地域に愛された桜を新たな形で継承し、資源を地産地環した“環境”と“地域”を繋ぐ晴雨兼用傘を特別に製作しました。